川越にてプライベートカッピング会を開催しました!

同じコーヒーでも、焙煎で表情は変わる

2026年9月18日、埼玉県川越市のCOFFEE POST様にて、合同会社メグスタとブラジル・グアリロバ農園による共同カッピング会を開催しました。

メグスタとして川越でカッピング会を開催するのは今回が初めてです。

会場となったCOFFEE POSTは、街道沿いの雑貨屋をリノベーションした趣のある建物。手前の土間が焙煎スペースとコーヒーショップ、奥の小上がりが建築事務所という、とてもユニークな空間です。

今回は、その小上がりにある大きな木のテーブルをお借りしてカッピングを行いました。

参加者は店主を含め5名。大人数のカッピング会とは違い、静かで落ち着いた雰囲気の中、一つひとつのカップをじっくり確認できる会となりました。

コロンビア4県・8農園、11品種・20ロット

ブラジル・グアリロバ農園からは8種類、メグスタからは新入荷予定のコーヒーを含む20ロットを出品しました。

メグスタの20ロットは、Tolima、Huila、Cundinamarca、Valle del Caucaの4県、8農園から選定したコーヒーです。

品種はCastillo、Colombia、Orange Bourbon、Red Bourbon、Yellow Bourbon、Bourbon Sidra、Ombligón、Tabi、Sudan Rume、Geisha、Pacamaraの11種類。

精製方法はWashed、Semi-Washed、Naturalの3種類を中心に、発酵工程や収穫年の異なるロットも加えました。

単に珍しい品種を並べることが目的ではありません。

今回特に試したかったのが、「品種」「産地」「精製」の違いを、同じテーブルの上で比較することでした。

同じ産地、同じ品種であっても、WashedとNaturalではカップの表情が大きく変わります。

反対に、精製方法が異なっても、その奥に共通する品種由来のキャラクターが見えてくることもあります。

「この香りは品種から来ているのか。それとも精製なのか?」

そんなことを考えながらカップを行き来できるのが、
多数のロットを同時に比較するカッピングの面白さです。

今回のレシピは11g:200cc

今回のセッティングは、コーヒー11gに対してお湯200cc。約1:18のレシオとしました。

メグスタのサンプルはAillio R1を使用し、9月12日と13日に焙煎。カッピング当日は焙煎から5〜6日が経過した状態です。

実は今回、焙煎には少し不安がありました。

焙煎時にエアフローが十分に確保できず、釜の中に熱がこもりやすい状態となり、
想定よりも焙煎の進行が早くなってしまったためです。

狙ったプロファイルとは少し違う仕上がりになり、「これは失敗したかもしれない」と思いながら川越へ持ち込みました。

ところが、カッピング後、ブラジルCOEの審査経験もある参加者から「焙煎、良いよ」と声をかけていただき、まずは一安心。

その後Aillioをメンテナンスしたところ、内部にはかなりのチャフと、焙煎時の煙や油分に由来する茶色い付着物が蓄積していました。

清掃後はエアフローの状態も変わったため、今回とまったく同じ焙煎プロファイルを再現することは難しいでしょう。

しかし、これもまた焙煎。

生豆だけでなく、焙煎機のコンディションまで含めて一杯の味につながっていることを、改めて考えさせられました。

Ombligón、Pacamara、Red Bourbon。そして意外な結果も

ドライのフレグランス、注湯後のアロマを確認し、4分後にブレイク。その後、それぞれのカップを何度も往復しながら評価しました。

最後に参加者の皆様に「印象に残ったコーヒー」を伺いました。

今回特に高い評価を集めたのが、Ombligón Washed。

華やかさと複雑さを持つこの品種は、今回のカッピングでも強い存在感を見せました。

そのほか、Red Bourbon Washed、Pacamara Natural、El OasisのGeisha Washed、Colombia Semi-Washed、新クロップのCastillo Washedなど、それぞれ異なる個性を持つコーヒーが挙げられました。

そして今回、私自身にとって一番興味深かったのは、Tabi Natural “Winter Candy”が選ばれなかったことです。

Winter Candyはこれまでのカッピング会で高い評価を受けてきたロットです。

2026年クロップも、シナモンやかすかなアニスを思わせる個性的なフレーバーを持っており、私たち自身も高く評価しています。

ところが今回は、その個性が強く出過ぎたように感じました。

今回のやや速い焙煎によって香りが非常に強く現れ、発酵由来のフレーバーが、まるでインフューズドコーヒーを思わせるほど前面に出てしまった可能性があります。

もちろん、メグスタが扱うWinter Candyはインフューズドコーヒーではありません。特徴的なフレーバーは、コーヒーチェリーと発酵プロセスから生まれたものです。

しかし、素材そのものに強い個性があるからこそ、焙煎でそれを強調し過ぎないことも重要なのかもしれません。

良い生豆を選ぶことと、その生豆を良く表現することは別の仕事。

今回の結果は、今後Winter Candyの焙煎プロファイルを考える上で、とても有益な示唆となりました。

カッピングは「選ぶ場所」だけではない

カッピング終了後、これからカフェを開業予定の参加者の方が、試飲した中から3種類の生豆を購入してくださいました。

実際に自分の舌で比較し、その場で生産地や品種、精製について話を聞き、「これを焙煎してみたい」と思った豆を持ち帰る。

これはオンラインの商品説明だけではなかなか生まれない体験です。

そして私たち輸入側にとっても、参加者がどのカップに戻り、どんなコーヒーについて質問し、最終的に何を選ぶのかを見ることは大きな学びになります。

カッピング会は、メグスタがコーヒーを紹介するだけの場所ではありません。

コロンビアで選んだコーヒーを日本でもう一度評価し、飲み手やロースターから受け取った反応を、次の買付けや焙煎へ戻していく場所でもあります。

今回の川越は5名という小さな会でした。

だからこそ、一つひとつのカップについてゆっくり話し、それぞれの感覚を共有することができました。

ご参加いただいた皆様、会場をご提供いただいたCOFFEE POST様、そして今回の会を企画してくださったCoffeeDX那須様と、準備をお手伝いいただいた奥様、本当にありがとうございました。

川越でのカッピング会は、まだ第1回。

ここから少しずつ仲間を増やし、またこの街で、新しいコーヒーを囲めることを楽しみにしています。