概要
ミラフローレス農園の一番高い場所にある区画 標高2100m
ミラフローレス農園(Finca Miraflores)はトリマ県オルテガ自治区の北にあるロス・ナランホス(Los Naranjos、 オレンジの木)地区にある農園です。農園主のエドウィン・マリン(Edwin Marín、以前Martinと表記していましたが、誤りです。謹んで訂正させていただきます)氏が2010年にこの農園を買い取り、家族で農園を運営、主にカスティージョ種を生産しています。コーヒー園は標高約2150mのナランホスの頂きから南東の斜面にあり、下にはオルテガ川を望みます。高地のために杉の木以外は高い木はあまり育たず、茂みも低木が多いです。おそらく山の頂にある急斜面の風が影響するのでしょう。日当たりの良い地形にも関わらず、吹き下ろす風が時折感じられ、寒暖の差が激しい地形です。土はオアシス農園の粘土質の土壌と似ていて、酸性度が高そう。ここで育つカスティージョ種はハイブリッド品種ながら繊細な香りと味わいを持ち、柑橘系のフレーバーの中にハーブティーやパッションフルーツのような華やかな香りがあるコーヒーに育ちます。
農園訪問
2022年年末に訪問をチャレンジしましたが、行程の途中で通行止めがあり、3時間ほど立ち往生したおかげで断念。ここにはたどり着けませんでした。今回2023年5月、半年ぶりに満を持しての再チャレンジ。東京を出発してボゴタまで24時間以上の長旅。1日休息をとってからの農園訪問です。当日は朝3時出発。眠いのか時差ぼけなのか分からないままボゴタを出発しました。農園までの道のりは日本の交通事情に慣れている方なら、かなり困難に感じることでしょう。まず、首都ボゴタ市からオルテガ市までの道のり220kmを高速道路を使って4時間あまり(これは朝方の空いている時間帯でです!2600mから2000mあまり降っての山道なので時間がかかります!)、オルテガ市からロス・ナランホス地区まで3時間あまり、未整備の道40Km余りをオフロード車(私達の車は20年落ちのトヨタランドクルーザーでした。これがまた優秀)をフルに駆使して標高600mから2200mまで登ります。
オアシス農園近くの道はクルマが通れる
道を逸れて山道を歩く
野性のモラ(黒スグリ)
通れるのはヒトか馬・ラバのみ
森の中
さらに山道を進む
車をエル・オアシス農園に停めて、そこから数Kmは徒歩での移動です。オアシス農園の古いコーヒー区画を抜けて斜面を下り、そこからマチェテ(農民が使う長刀のナタ)で低木を切り開き、野生のベリー「モラ」の棘で流血しながらぬかるんだ山道を登ったり降ったり。やっとついたかなと思ったらそこは使われていない農家でそこはまだ行程の3分の1。さらに山道を進むとそこには放し飼いされているラバの群れ。さらに下っていくと、無事ミラフローレス農園に到着しました!最後の徒歩を含めるとボゴタから約8時間!ミラーレスカメラとドローンで荷物いっぱい。もうヘロヘロです(笑)
休憩中のラバさん
ウマとラバ
右側の斜面にはコーヒーの木が
ここは携帯電波もインターネットもない人里離れた農園。その道のりはクルマはもとよりバイクも通行出来ません。そのため収穫・精製されたコーヒーは先ほどのラバに積まれ、近隣のエル・オアシス農園近くのクルマの通れる道まで時間をかけて運ばれるのです。
さらに進むと谷底に川が やっと農家が見えてきました
峰を渡って道を下ります
さらに進むと谷底に川が
やっと農家が見えてきました
南東を向いた斜面に一面のカスティージョ種が
農園入り口 ここまで徒歩で1時間
花で飾られた農家
談笑するエドウィンとフェルナンド
トレッドヘア
農園主インタビュー
農園主のエドウィン・マリン氏に話を伺いました。
「もともとここはオアシスという名の大農園で、政府がその農園を買い取り、現地の農民が自立出来るように30h〜40hの大きさの比較的小さな農園に分割し分譲しました。私は働いてお金を貯め、前の農園主から2010年にこの農地を買い取りました。生活のために何か生産しなければならないのですがここは標高約2000mもあり、販売できる農産物は牧草かコーヒーぐらいなのです。牧草では生活は成り立ちませんので、コーヒー農園にすることに決めていました。さらにコーヒーの木を植えました。最初約4000本だった木は今では21000本余りに増えました。ここは車道からかなり離れている辺鄙な場所です。出来上がったコーヒーを運ぶのがとても大変ですが、自然いっぱいのこの場所はとても気に入っています。
区画は標高1800mから2100mの間にあり、植えているのは主にカスティージョ種です。私はコーヒーの木に化学的な農薬は使っていません。除草剤はコーヒーの気にも影響するし、地域全体の環境を破壊するので使いません。高い標高のおかげか病気や害虫はほとんどなく、そのための化学薬品は必要ありません。唯一の化学薬品は有機肥料に少しだけ入っているケミカルで、土壌に対して使用しています。ほぼ有機農法なので、コーヒーの木はとても健康的です。
農園は私と、私の息子達が手伝ってくれています。ここで生み出されたコーヒーを遠く離れた日本で飲まれているなんてとても感動的なことです。」
朴訥だけど真面目で家族が協力しあって農園を運営していることを肌で感じることができました。それでも来た甲斐がありました!次回はもう少し余裕のある日程で来たいと思いました。
乾燥場 奥にはとうもろこしが
エドウィン・マリン氏とその家族
生豆データ
CAFE DIRECTO | 品番 | TO22ORMFCAS1 | |
Variedad: | 品種 | Castillo | カスティージョ種 |
Altitud: | 標高 | 1850m – 2100m | |
Proceso: | プロセス | Lavado Tradicional | ウォッシュト |
Finca: | 農園名 | MirafloresEdwin Marin | ミラフローレス |
Area: | 地区 | Ortega, Tolima | トリマ県オルテガ地区 |
国 | Colombia | コロンビア | |
Cosecha: | 収穫年 | 2022 | |
Punta total SCAA: | 参考ポイント | 86.0 | |
Fecha tostado: | 焙煎日 | – |
カッピングコメント
清潔感がありシトラス系のフレッシュでスッキリとしたフルーティな一杯。ミントとカモミールティーのアロマ。スッキリシトラス系のジューシーな飲み口。シトラスの酸とパッションフルーツの雰囲気で黄色の果実味が溢れ出る。後味はハーブティーのようでスッキリ。今回の3種の品種・3杯のカッピングは一貫してフルーツを感じさせる。(SCAA会員 Mario P. Ramírez)
浅煎りと深煎りでフレーバーが大きく異なる。ミディアムからハイローストまでは、シトラスのすっきりとした果実味と南国のフルーツとフローラルな香り。シティーやフルシティーになるとカカオやチョコレートが前面に出てきて層の厚いボディーと長い余韻がある。どちらも甘みが強くコーヒーのポテンシャルを感じる。精製方法を工夫して嫌気発酵に挑戦してみたくなる(合同会社メグスタ 太田代)
お客様のテイスティング・ノート
Hop Frog Café様(長野県松本市) 焙煎度合:焦がさない焙煎・加圧熟成
- すだち、レモン、アプリコット、パイン、カモミール、チョコレート、麦芽糖、スモーキー
(出典:https://note.com/hopfrogcafe/n/n8b0cfe9ca657 Hop Frog Café様)
Lover’s Coffee様(福島県会津若松市) 焙煎度合:中深煎り
- 風味のイメージ:チョコレート、クローブ、わずかにブラックベリー、様々な風味が融合した複雑な香味と濃厚なボディ。
Café Tenango様(東京都世田谷区)焙煎度合:R5
- レッドアップルやマスカットの果実感、滑らかなマウスフィール。
- バニラ、しっかりとした骨格
(出典:パッケージより)
収穫・入荷年:2022年収穫・2022年12月入荷(15℃定温倉庫にて保管)
荷姿: 1箱24Kgカートンボックス (12kg真空パック x 2個入り)
価格: 2,150円/1Kg(24Kg/12Kgパックの場合の価格、税抜き、送料別)
少量ロットは価格が異なります。別途消費税・送料
Youtube動画
ドローン映像:
Café Directo Video: Finca Miraflores – Drone ミラフローレス農園ドローン撮影
エドウィン・マリン氏インタビュー:
Café Directo Video: Colombian Coffee Producer, Finca Miraflores Sr. Edwin Marín コロンビア・ミラフローレス農園
Café Directo Video: Colombian Coffee Producer, Finca Miraflores Sr. Edwin Marín コロンビア・ミラフローレス農園2